電車のガラスに映る自分。
シートに背中をもたれかけながら
どこか張り詰めた空気をまとっている。
常に
緊張の糸を切らさないよう
気が抜けない体。
褒められることなく
常に注意され続け育った後遺症か。
特にひどい虐待にあったわけでもない。
ごくごく平凡な家庭に育った。
真綿で首を絞められる様な息苦しさ。
自分で動こうとすると自由に手足を動かせれないもどかしさ。
そういう感覚が日常だった。
自信のなさ。
いつ
何を指摘されるかという緊張感。
ずっとそんな気持ちと並走してきたんだ。
それを
まざまざと見せつけてくれる
ガラスに映る自分。
一日出かけて疲れているはずなのに
ピンと伸びた背筋は見た目は悪くなく
すがすがしくさえある。
そんな自分がなんだか健気で愛しくなる。
がんばってきたんだねぇ。
ゆっくりするんだよ。
ガラスの向こうに
話しかけたくなる。
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